●7月14日

◆小説…その10

高校を卒業した私は、暫く(っていうか、ほんのちょっとだけ?)東京で暮らします。
なんて事はない。
東京の専門学校に入学しただけなんですけどね。
何の勉強をしに行っていたのかは教えてあげない(笑)
アニメ関係とだけ漏らしちゃおう(^-^;

私は子供の頃からマセてた(って言えばいいのか??) ので、「親はあてにならない」「自分の事は自分で…」「我が家は貧乏」とか悟り(笑)、この専門学校も実は新聞配達の奨学金制度を利用した。
場所は東京世田谷。
近くには世田谷の区民会館とか国士舘大学があった。
あ、そうそう。もとは長州藩の別邸跡といわれる『松陰神社』もあったな。

そこで私は同い年の秋田から上京した子と知り合いになる。
同じく奨学金制度を利用しているが、彼は国士舘大学に通う大学生だった。
で、お互いに小説好きであるという事で語り合い、私の一押しは当時は平井和正さんのウルフガイである。
対して彼の一押しは大藪春彦さん(毎回で申し訳ないですが、漢字はあってますか?)。

ウルフガイはこうこうこうで面白いんだ。
というと彼も「それなら大藪作品だってこうこうこうなんだよ」って…。
そうやって話をしていて、ふと疑問に思ったのね。
共通点が多すぎやしませんか?

そう思うと、やっぱり読みたくなるのが人情で…。
読みましたよ大藪作品。
彼お勧めの『伊達邦彦シリーズ』の一冊目。
『野獣死すべし』

面白かった。面白かったんだけど、気がついた。
「あれ?この記述、まるまる平井さんの小説にも出ていなかったか?」
そう、拳銃が出てくるところに関しては、この時代大藪さんは日本でも5本の指に入る博識。っていうのは有名で…。
その大藪さんの書いてある通りの文章が平井さんのウルフガイにも出ていたのでした(^-^;
「ひ…平井和正。パクったな…」

例えば、銃身が短いリボルバーが出てくる。
実際の長さは2インチなんだけど、こういった銃の事を総称してスナッブ・ノーズ(獅子鼻)という。
こうした記述も全く同じなら、ダムダム弾に対しても記述は全く同じだった。
ある意味、ショック・・・(゜_゜i)タラー・・・

とはいえ、もう読んでいる小説だし、面白いからまぁいいか。と区切りをつけて、大藪作品を読みだした。
有名どころの『蘇る金狼』とかいろいろ…。
面白い。
大藪さんも平井さんもどちらもハードアクションであり、バイオレンスたっぷりだった。
ガンは咆哮しマシン(車)は縦横無尽に駆け抜ける。
血と硝煙とエキゾースト・ノイズ(あれ?エキゾースト・ノートだっけ?本当に年は取りたくないもんだ(-_-;)。物忘れがだんだんひどくなっていくよ…)の世界!
ハードアクションファンなら必読の作家ではなかろうか?

ただ、この時、私は壁に当たる。
彼はよかった。大学生だから自分でカリキュラムが組める。
私は専門学校だから、学校がカリキュラムを組む。
一人だけ夕刊配達の時間が遅かったり、あと集金もあったんだけど、これが結構難しくって…。
平気で「もう何々さんに払ったよ」とか嘘つく人がいるのね。
この集金も悩みの種でね…。
一か月の間の半分以上を集金に費やすのさ。

時間帯も昼間行かなきゃいけないところもあるし、夜行かなきゃいけないところもある。
そうすると、学校で出された宿題をやる暇ってものが作れないのね。
なにしろ翌朝は早いしさ。
で、この時。22歳で大学の夜間部に入学した人も来ていて「勉強するのに年齢は関係ない」って事に気がついて、いったん岡山に帰る事にするのね。
ちょうど岡山の某自動車工場で人を募集しているって言うから、そこで数年働いて、今度は自分のお金で学費を作ってから東京に出てこよう。と…。

ね、自立心の塊みたいでしょ?(笑)
でもね、この志は儚くも握りつぶされるのね…。
実の両親によって…。

つーことで、今日は疲れたので続きます。

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