●7月3日

◆小説…その5

さて、『アダルト・ウルフガイシリーズ』ですが、こちらは基本的に一巻完結(でいいのかな?)のスタイルで綴られていきます。
『凶眼の女』(だったと思う)あたりからは一つの大きなストーリーになっていくのですが、とりあえずはアダルト犬神明。
職業はフリーランスのルポライター。年齢不詳(確か書いてなかったと思う)。
フランスの俳優。ジャン・ポール・ベルモンド(の若い頃)を漫画にしたような顔で口元には(ほぼ)常にハイライト(タバコの名前ね)を貼りつけてニヤついている…。

この特徴でピン!と来た人はいるだろうか?
ジャン・ポール・ベルモンドを漫画にして口元のハイライトを葉巻に変えたら?
左腕に『サイコガン』なんて物騒なモノをつけていたら?
そうです。寺沢武一さんの『コブラ』ですね。キャラクターをものの見事にパクってますね(笑)
いや、ケチをつけているわけじゃありませんよ。それを知っていても楽しく読んでいましたから、私…。
特に作品として固まる前の段階では、セリフ回しもパクってました。
「イヤだね。いないいないバァをやって遊ぶんだ」まんま犬神明です・・・(゜_゜i)タラー・・・

ま、それほどファンも多く、影響を与えていたキャラクターではあります。犬神明(成人男子)
少年犬神明も同様で、また話がずれますが、後に『幻獣少年キマイラ』を書いた夢枕獏さんが「この作品(ウルフガイシリーズの少年犬神明)に出会っていなければ、このキマイラシリーズは書き得なかった」と言ってましたね。

さて、話は戻ってルポライター犬神明ですが…。
言ってしまえば、トラブルメーカー。望みもしないのにトラブルを引き寄せる男で、その都度厄介な事件に巻き込まれていく。
その相手というのが、大抵の場合は強欲で傲慢な人間で、人の命を弄ぶような反吐が出るような連中ばかり…。
常に命を狙われるような眼にあうのだが、そこは狼男である。月齢が満ちて満月期になると本気で不死身。
どんなに傷つけられようとも高速度フィルムで撮影したモノを早回しで見るように、たちどころに傷を治していく。
その不死身性で鼻もちならない『自称・上流階級』の変人共やマッドサイエンティストなどの悪趣味な『遊び』をぶち壊して粉砕していく。

それが痛快でもあり、またそれだけではなく人の思い上がり。というモノを知る事にもなる。
基本。一巻で一話完結なのだが、先にも書いた『凶眼の女』あたりから神VS悪魔の図式が描かれ始め。
犬神明(狼男)は悪魔側の属性であったにもかかわらず、天使によって欺かれ神の側に転じた、悪魔にとっての『裏切り者』として追われる立場にあったのだ。という事実が浮かび上がってくる。
それが故に、犬神明は望みもしないトラブルを引きつけてきていたのだし、愛する女性が常に無残な最期を迎える。という結末になってしまうのだ。
と、悪魔達は高笑いする。

そうして、最終巻においては謎の化け物が現れる。
悪魔なのか、異星人なのか?異形の化け物は強く、狼男に引けを取らないパワーを持っていた。
つまり、アダルト・ウルフガイシリーズ。
完結していないのである。
このまま続けば、同じ平井さんの代表作である『幻魔大戦』とクロスオーバーするんじゃないかな?っていう期待を持ちはしたものの、続編が書かれたのかどうか?私は知らない。

ウルフガイシリーズも全4冊で終わってはいなかった。
終わり方が微妙ではあったのね。
まだ続きそうにも感じる「この後は皆さんの想像にお任せします」みたいな終わり方。
それが続編が出た。
『黄金の少女』というのがそれだ。
確か舞台はアメリカに移っており、なかなか犬神明は出てこない。

なんで不確かなのか?といえば、その本が出た当時の私は、長過ぎる。ともいえる平井さんの『幻魔大戦』や『真・幻魔大戦』などの長編を読み終えた頃だったからである。
この頃の平井さんの作風は変に宗教めいて、理屈っぽくなっていたので(少なくとも私はそう感じたので)、読み切るのに、かなりの根性が必要だったのだ。
もう、お腹いっぱい!満腹状態!!だったのである。
という事で、また次の機会に買おう。と思っていたらいつの間にか書店から姿を消していた。
今となっては悔やまれる、読まなくっても買っておくべきだったという後悔の念に包まれているのだが…。
その後、これは知らなかったのだが、まんま『犬神明』というタイトルの小説も発表していた。
気になる。どっちの犬神明だ?読みたい。
両方とも今となっては、ネットの中古品(いわゆる古本)で探すしか手段がなさそうである(〃´o`)=3 フゥ

『幻魔大戦』とか『黄金の少女』『犬神明』は社会人になってからのお話である。
高校3年生だったこの時期はだから『ウルフガイ(アダルト含む)シリーズ』に夢中になっていた。

そういえば、高校1年生の時に初めて司馬遼太郎さんの作品に触れたんだっけ…?
書き忘れていたな…(-_-;)
司馬遼太郎さんの作品がまた面白い!
歴史が好きな人達でまだ読んでいない方にはぜひご一読。お勧めします。

と、いう事で長くなったので、また続きます。

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